2010年11月23日

ニセコルリクワガタ?の幼虫

P1010529.jpg 写真は先日アップした、ルリクワガタ属の♀と共に持ち帰ったルリクワガタ属♂の幼虫です。 ♀2頭はすでに羽化しており成虫ですが、♂は11月20日では、蛹室をつくりはじめたところの様でした。 標高1100m地帯から、サンプルとして3頭を持ち帰り、小さなプリンカップで自作のマットを使い飼育しました。 写真♀はカップの底に蛹室をつくったために、観察が容易に出来ました。羽化したのは11月19日で、翌日にはカップを傾けると、まだ少し腹部が上翅に収まっていないにもかかわらず、蛹室内を素早く這うので驚きました。 蛹の期間はというと、11月11日に蛹に成っているのを確認したのですが、前蛹での期間が私の予想を裏切り遥かに短かった為に、前2〜3日間は観察しておらず、今回の観察では約10日間〜2週間以内とします。 前蛹期から成虫に羽化するまで、約1ヵ月程度と非常に短いことに驚きました。 参:室温は約24℃前後位でした。 少しだけ私の子供の頃のお話をさせてください。 あれはまだ小学校に上がる前ですから、今から40年も前になります。私の家族と名古屋の親戚一家とで奈良県の大台ケ原へとキャンプに出掛けた時のことです。 生まれて初めてみる壮大な大自然に私は車の後部座席で興奮していました。車を休ますためだったんでしょうね。楽しいドライブは中断され、少し休憩を取ることになりました。 私は親たちから1人勝手に離れて、大きな岩によじ登りました。  それは、道中の車窓から時折見下ろした巨大な渓谷の荒々しい流は、実は青く深い川の底に途轍もなく大きな竜が何匹も棲んでいて、その巨体を”ぐねぐね”くねらせ激しく泳ぎ回るせいだと子供らしい想像をしていたからです。 怖、々覗き込んだ私は、股間の二つの梅干の種が「キューん」となるのを覚えました。 「こわ!」腰がひけてしまった私は、母親の心配そうな声に応じるふりをして岩を下りることにしました。勿論、竜の姿はどこにもありませんでした。 しかし遥かに見下ろすその谷のあまりの深さと、激しく岩に撃ちつけられる激流の迫力は、今でも忘れられなくとても恐ろしい図として記憶に留まっています。 どうやら車はオバーヒート気味の様子です。 ボンネットを上げて調子を窺う大人たちを尻目に、さっき岩の上で私の目の前を弱々しく「ぷ〜ん」と飛んでいった、青く小さなカミキリ虫がどうしても気になってしまい、網と虫篭を持って探しに戻ることにしました。 空を見上げた私は、うんと頭上に若葉の辺りを飛び交うあの小さなカミキリ虫たちを見つけました。私は竹竿をつないで「私の虫取り網は、その当時なら既に自作品なのか?だれかに作ってもらったのかは憶えていませんが、高いところにいるクマゼミも軽々捕まえることが出来る連結式になっていました」その柄(え)をしっかり握り締めてから、力いっぱい空たかく突き上げました。若葉にくっついていたものなのか?ふわりと宙に浮かんでいたものを首尾よくすくい捕ったのかかは流石に憶えてはいませんが、白く透けた網に小さなそれが入っていることを確認した私は、手際よく竿を倒してから慌てて駆け寄り、網の中に腕を差し込みました。 手のひらをそっと開けた私は、その瞬間まで予想すらしていなかった、その小さなカミキリ虫の正体に脚を震わせ興奮する破目になってしまいました。 つづき 私の小さな手のひらで青く輝くそれは、私が当時、毎日のように開いてはこれから出会うであろうクワガタ虫たちを学習していた昆虫図鑑に描かれているルリクワガタであることは一目で判りました。 私は嬉しくて母親のもとへかけて行き、その小さな宝物をそっと両手に包み込むように見せました。 すると母親は「あ、それはゲンジやないで、ケーケラやで!」って、あっさりと興奮未だ冷めぬ私に告げるではありませんか・・ 私は慌てて触角がクワガタ虫であること頭や口元のアゴが、カミキリ虫とは違うことなどを説明しましたが解ってもらえません。 私と母親の様子に惹かれて他の大人たちも集まって来ました。 ウバタマムシはタマムシの♀だと信じている人たちですから、それなりに予想はついていましたが、案の定、私の力説も空しく大人たちは皆、「ヘップリムシ・クソブン・ケーケラ」口々に勝手なことを言い出しました。 結局のところ「そりゃ〜やっぱりゲンジやないわ!」と決着がつけられドライブが再開されました。 家に戻ってから、昆虫図鑑のルリクワガタの横に並べて母親に見せるとやっと解ってもらえることが出来ました。 母親も「そんな小さて綺麗なゲンジがいてるんやな〜」と関心していました。 これが、私がはじめてルリクワガタと出会った思い出でなのです。 昆虫少年です。長いことご無沙汰をしてしまい、すみませんでした。(^^)> 相変わらずの貧乏暇なしでということでご勘弁ください。 では、つづきです。 結局のところ、11月19日に羽化を確認した雌は1月中期頃に2頭とも相次いで死んでしまいました。 室温21〜22℃で管理していましたから12月には活動をはじめ餌も与えていました。 「活動固体の寿命は1ヵ月程度と非常に短い」 と、ルリクワガタ属に詳しい研究者のお話は合っているよに思いました。 雄幼虫も原因は判りませんが前蛹期に死んでしまいました。 確実に種類を特定する為に、オスの羽化を楽しみにしていましたから非常に残念に思います。 雌2頭の検討には、私が所持しているルリクワガタ属について詳しく解説されているクワガタムシ図鑑数冊を参考に致しました。 それとネット上で紹介されている研究者や愛好家の方々の解説や意見も拝見し、参考の一部とさせて頂きました。 雌のみの同定ですので、略、間違いはないと思うものの、私自身はルリクワガタ属については殆ど素人ということもあり、100%の自信は持てなく「ニセコルリクワガタ?」と致しました。 ご理解ください。 前回のブログ,16〜17年前の高地での採集でえた幼虫は私の予想通りルリクワガタ数頭が羽化しました。 しかし幼い頃、ルリクワガタを初めて手にした感動とはほど遠く、そのあまりの小ささにルリクワガタへの興味は薄れてしまい、種類を調べることはしませんでした。 それが去年の夏、むねお青年がまだ小学生だった頃、私が店で飼育していたヒメオオクワガタとアカアシクワガタを憶えていてくれて、彼の希望でアカアシクワガタ採集の為に十数年ぶりに私がヒメオオクワガタに夢中になっていた頃に開拓していた採集地を覗いてみることにしました。 ヒメオオクワガタは私が採集をはじめた頃から稀でしたから、先ずはアカアシクワガタ狙いで低山地から回ることにしました。しかしあれほどたくさんいたアカアシクワガタの姿はありませんでした。 道路の拡張や河川整備の為に環境が大きく変わってしまったポイントもありましたし、地元知人は他府県からの採集者がここ数年で急増したと話していました。 その話を裏付ける様に、私自信も他府県ナンバー車と採集者らしい人たちが川岸でヤナギを見て回る姿を度々見かけています。 アカアシクワガタを手に出来ず、残念がるむねお青年の為に後日休みを取り、高地にまで足を延ばすことになったのです。 しかし当日はあいにく空模様が急に変り、雨に濡れてしまって寒さのあまりヒメオオクワガタもアカアシクワガタも見ないままに採集は中断されひき帰すことになりました。 収穫は、ルリクワガタ幼虫4頭と中型のクワガタムシ終齢幼虫4頭でした。観察の為には十分な個体数です。 原生林はわずかにしか残されておらず、私なりに生息地の環境を考慮した材割採集を行ったつもりです。 つづく 、
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2010年11月22日

ニセコルリクワガタ?

P1010531.jpg こんばんは昆虫少年です。すみません。またまたずいぶんとご無沙汰をしてしまいました。 写真は9月の中頃に和歌山県の某所に私の弟子である、むねお青年と一緒にヒメオオクワガタとアカアシクワガタ を覘きに出かけた際についでに持ち帰った幼虫を飼育したものです。材を削ってルリクワガタの幼虫を採ったのは実はこれで二度目です。前回は、今から16〜7年前だったでしょうか?確か11月の終わり頃だったと記憶しています。今回よりはもう少し標高の高い処でした。凍りついた倒れ木を「シャキシャキ」とまるで氷でも削っているかのような有様でした。私はそれまでこの季節において標高1000m以上の山地での採集経験はありませんでしたから、凍った材を削ったのは初めてでした。谷を渡りカモシカや猿が残したけもの道を足を滑らさないように崖っぷちを友も無くずいぶんと歩かされました。ふと視線を感じた私は、足を止め、私しか居ないはずの世界で視線の主を捜しました。すると目の前の崖の岩に一匹の猿が寂しげに屈んでいます。悲しそうな声で「キキ・チィチィ」と弱々しく、恰も怪我でもしているかの様子で私を誘っています。誘いに乗り私が心配して近寄ってみると、その猿は逃げるようにして離れて行き、私が足を止めようとすると、また猿は、此方を振り返り私の様子を窺うように弱々しく「チィチィ」と悲しげに鳴くのです。そんなことを何度か繰り返すうちに、ふと、以前知り合いの猟師から聞いた怖ろしい話を思い出してしまいました。怪我をした猿を可哀想に思い、助けてやろうと後をついて行って、崖から落とされた話を思い出したのです。幸いその時は雪がクッションになり命拾いをしたそうすが、いまの私が置かれている状況が、まるでその話の詳細の再現の様に思えてしまい、私にはその猿が悪魔に見えて来てしまいました。猿に拘るのは止めた私は、どんよりと曇った空を気持ちを切りかえるために見上げました。谷を挟んだ向かいに聳え立つ峰には雪があって、垂直に切り立った岩肌には不思議そうに私を見下ろすカモシカが居ます。 よくあんな険しいところに立って居られるものだと私が半ば心配混じりで見つめていると、後から追いついた仲間のカモシカ達と共に勢いよく岩を蹴ってあっという間に消え去ってしまいました。 後には、カモシカ達が蹴り砕いた岩の欠片が峰峰にこだまを残しゆっくりと滑り落ちていく風景を私はただ呆然と眺めていました。 ちょっぴり大げさではありますが、私なりには思いがけなく命がけの昆虫採集となってしまいましたが、しかしながら、大自然を十分に満喫出来た良い思い出でもあります。 そういえば、あの噛みつき猿は今ごろどうしてるんでしょう??かね〜 命拾いをして動物園の檻の中で飼育されることになったことはテレビで知りましたが、あれからどうしているのか?私が毎日見ている朝と夜のニュース番組では全く見かけなくなってしまいました。 「サルものはおわず」と昔の人は言ったようですが、私は彼が檻の中で一日中ションボリ俯いているのか? 飼育係のおじさんに馴れて、可愛がられて暮らしているのか?少し気になります。 「チィチィ」・・
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2010年10月31日

ミヤマクワガタ

P1010521_convert_20101031213604.jpg 昆虫少年です。すみません・・またご無沙汰をしてしまいました。 写真はミヤマクワガタの2齢幼虫です。初夏の頃に地元の和歌山で採集したものからえた幼虫です。 ミヤマクワガタの飼育(採卵)についてよく耳にするのが「保冷材等を使用してケース内の温度を15℃位にまで下げる・産卵用マットは黒く色づいたよく醗酵したものが望ましい」などと云われているようです。 私の場合、飼育環境は室温が27℃(室温はエアコンで管理)マットは微粒子の醗酵の浅いものを使用します。 そして、細い材を1本、中央に埋め込みます。これで十分必要な数の幼虫をえることが出来ています。 野外においての私の観察では、ミヤマクワガタの幼虫はヒラタクワガタやノコギリクワガタの幼虫のように地下茎内部に食痕を残し潜り込んでいる姿を見ることはなく、土の中に棲んでいてクヌギやナラといった落葉広葉樹の立ち枯れの腐った地中の根の部分を外からかじって食べています。そのため根の先の細くなった部分であっても食料源にすることが出来るのです。 その生態は、他の根食いの大型種と混生する地域においては棲み分けを意味するものと私は考えます。 ミヤマクワガタの幼虫は、他のクワガタ虫の幼虫と比較して皮膚に生えている毛が少しだけ長いように思います。これは、地中生活において最大の天敵であろう地中生小型哺乳類等の捕食者の接近をいち早く知る上で役に立っているのではないかと私は想像しています。  もう少しミヤマクワガタのお話をしたいのですが、残念ながらお時間となってしまいました。 今日のところはここまでにいたします。 「オチ」も無くすみません。
posted by 昆虫少年 at 21:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記